要らない文字をカットする

長い文章は「自分は文章が書ける人」と錯覚を起こします。しかし、長い文章は、相手にきちんと伝わっていないことが往々にしてあります。同じように、丁寧な表現をしているつもりでも、読み手にとってはわかりにくいことが多くあります。

要らない贅肉となった文章はカットして簡潔な文章にしましょう♬

適切な量がわかりやすさに繋がる

情報デザイン・情報設計の分野には、シグナルアンドノイズと言う考え方があります。

伝えるべき(意味ある)情報と、そうでない情報のバランスをとるべきという考え方です。意味のない情報が多いと相手には伝わりにくい情報(文章)となります。

意味のない文章を一言で言うと、修飾語をイメージされると良いでしょう。

かっこいい。という言葉に、とってもかっこいい。修飾語の「とっても」だけでは意味をなしません。

ちなみに、文章(情報)を提供するライティングから、情報設計は誕生しているので、SN比の考え方は取り入れる必要があります!

要らない文字を削ぎ落とす

意味のない情報が全くない方がいいわけではないですが、要らない文章を削ぎ落とすことができれば読み手は負担なく理解することができます。

どのように贅肉文章をカットするか、例を見ながら学んでいきましょう!

同じ内容が多く入った丁寧過ぎる文章

冒頭でも解説したように、書き手からすると、丁寧に記載していても、同じような内容を繰り返すのは、わかりにくい文章です。読み手に何をしてもらいたいのかを、的確に短い文章で伝えましょう。

以下は、ビジネス上の取り決めを相手企業に依頼するための文章です。

改善すべき例

より確実かつ透明性の高い取引関係を確立するとともに、発注、支払いに関する双方の相違を未然に防ぐため、弊社の発注、及び支払い方法について、以下に記載の通り、遵守いただきますようお願い申し上げます。

添削例

相違を未然に防ぎ、確実かつ透明性の高い取引のため、発注、支払い方法は、下記の通り、遵守してください。

改善ポイント

  • 発注・支払いに関する言葉が重複しているのでわかりにくいです
  • 文法エラー:「いただきます」の謙譲語を相手側の行為に対して利用
  • 遵守は相手側の行為で、その行為をお願いしている言葉が周りくどい

的確な言葉を採用する

改善すべき例

許可なく撮影しないようにしてください

添削例

許可なく撮影しないでください

改善ポイント

意味的には同じ文章ですが、「しないように」は曖昧な表現です。「しない」とハッキリ表記しましょう。

同様に、「と思います。」も、意思が弱く伝わります。「と考えています。」と表現することで、意思の強さを表すことができます。

何について指しているか明示的にする

「こそあど言葉」の指示語は、日常会話の中でよく使われます。対面の会話にずれが生じることはほとんどありません。しかし、文章中の指示語は、何を指しているのか不明瞭になることがあります。

改善すべき例

そちらについては、問い合わせ中です

添削例

欠品商品について在庫を調べております

改善すべき例

こちらサイドといたしましても構いません。

添削例

弊社側でも8月10日ミーティング内容の決定で同意しております。

改善すべき例

こちらの内容は以下に記載した通り

添削例

契約内容に関しては、箇条書きの通り

注意書きの文言

改善すべき例

ロッカーから離れる場合は、ロッカーキーを離さずお持ちください

添削例

ロッカーから離れる場合は、鍵をお持ちください

ロッカーキーと明示的表現で良い感じがしますが、鍵とするだけで何の鍵かは自ずとわかるので、重複する表現は避けましょう!

お願いします。の乱用

最後に、よくある曖昧な言葉を紹介します。それは、「よろしくお願いします。」です。

「よろしくお願いします。」は便利な言葉ですが、何をお願いしているのか、不明瞭な文章になりがちです。

目的語がないと、相手は理解できなくなります。丁寧に記載しているつもりでもハッキリ何に対してかを明示的に記載しましょう。

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